富士通、連結営業増益でも調整後は減益 部材高の価格転嫁に遅れ
富士通の2026年4〜9月期は、連結売上と連結営業利益がともに前年同期を上回った。一方、会社が本業の実質的な利益を示す指標と位置付ける連結調整後営業利益は減少した。サービス事業の成長が続くなか、ハードウェアの部材高と更新需要の反動が、グループの利益にどう響いたかが今回の焦点だ。
連結営業増益と調整後減益を分けて読む
2026年4〜9月期の連結売上は前年同期比3.8%増の1,626,358百万円、連結営業利益は同2.1%増の107,602百万円となった。比較対象の前年同期の売上と営業利益は、非継続事業を除いた継続事業の金額だ。
連結調整後営業利益は前年同期を下回った。この指標は、連結営業利益から事業再編・事業構造改革・M&Aなどに伴う損益や、制度変更などによる一過性の損益を除いたものだ。連結営業利益の増加だけでは、こうした調整後の減益は見えない。
連結セグメントで見るサービスの成長と他事業の利益圧迫
- 連結セグメントのサービスソリューションは、売上が前年同期比5.9%増、調整後営業利益が11.8%増となった。同セグメント内のUvanceの売上は26.5%増で、サービスソリューションに占める売上構成比は前年同期の29%から35%へ拡大した。
- 連結セグメントのハードウェアソリューションは、売上が前年同期比5.7%増となる一方、調整後営業利益は減少した。ユビキタスソリューションは、売上が同20.6%減となり、調整後営業利益も減少した。
会社によると、連結セグメントのハードウェアソリューションのうち、サーバ・ストレージなどのシステムプロダクトは、販売台数が海外を中心に伸びたものの、メモリーなどの部材コスト上昇を売価へ転嫁するタイミングが遅れ、減益となった。ユビキタスソリューションの減収減益は、前年のWindows10更新需要の反動によるとしている。
会社は、連結セグメントのサービスソリューションでは増収効果と採算改善で増益になったと説明する。ただし、他のセグメントの減益に加え、先端テクノロジー開発投資も拡大し、グループ全体の調整後営業利益は減少したとしている。
連結最終利益の大幅減には前年の売却益が影響
連結の親会社所有者帰属中間利益は、前年同期の262,002百万円から82,581百万円へ減少した。これは営業利益とは異なり、非継続事業の利益も含む指標だ。
会社は、連結の親会社所有者帰属中間利益の減少には、前年同期に計上した富士通ゼネラルと新光電気工業の株式売却益の反動があると説明する。一過性の損益などを除く連結調整後中間利益は、ほぼ前年同期並みの水準だとしている。
連結セグメントの下期は価格転嫁とサービスの採算を確かめる
会社は、連結セグメントのサービスソリューションで、好採算の大口ソフトウェア商談が当期は下期に集中することや、不採算プロジェクトの発生などにより、上期の採算改善幅が小幅にとどまったと説明する。下期にはこれらの影響が解消し、一部は前年同期の反動からプラス要因に転じると見込む一方、AIデリバリ基盤の拡充やコンサルティング強化の費用も増加しているとしている。
- 連結セグメントのハードウェアソリューションでは、部材高の価格転嫁がどこまで進み、増収が調整後営業利益にどう表れるか。
- 連結セグメントのサービスソリューションでは、上期の採算改善幅を抑えた影響が会社の見込みどおり下期に解消するか。増加するAI関連などの費用と合わせて調整後営業利益がどう変わるか。
富士通の上期は、連結営業増益と連結調整後営業減益が併存した。サービスの成長に加え、ハードウェアの価格転嫁と開発投資の負担を追うことで、グループの利益の変化を捉えやすくなる。
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