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有価証券報告書2026年9月30日提出イリソ電子工業株式会社

イリソ電子工業、連結売上は過去最高も営業利益は横ばい―原材料高と不適切行為への対応が課題

イリソ電子工業の2026年3月期は、自動車向けや産業機器向けの需要を取り込み、連結売上高が前期比9.9%増となった。一方、原材料高が利益を圧迫し、連結営業利益は0.2%減にとどまった。海外子会社や品質管理を巡る問題も判明しており、収益力と再発防止策の両面を追う必要がある。

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増収を支えた需要と、利益を抑えた原材料高

2026年3月期の連結売上高は前期比9.9%増の61,961百万円、連結営業利益は同0.2%減の5,436百万円だった。

会社によると、2026年3月期のグループのモビリティ市場向け売上高は前期比7.5%増だった。車内で扱う情報量の増加に伴う高速伝送対応コネクタの需要と、中国での電動車向けの好調が背景にある。産業機器向け売上高も、一部の工場自動化機器向けの回復とエネルギーマネジメント分野の拡大により同67.1%増となった。

会社は、2026年3月期の連結営業利益が原材料価格高騰等の影響を受けたと説明する。連結経常利益の増加には為替差益等が寄与しており、営業段階と経常段階で利益の動きが異なる。

2026年3月期の連結経常利益は前期比10.1%増の6,132百万円、連結の親会社株主に帰属する当期純利益は同1.6%増の2,553百万円だった。

調査費用を計上、追加負担は見通せず

第三者委員会の調査では、海外子会社での不適切な金銭交付、過年度の売上前倒し計上、その他の会計処理の誤り、同社の品質管理・品質保証上の問題等が判明した。

2026年3月期の連結決算では、第三者委員会の調査費用や過年度決算訂正関連費用等として、特別調査費用等1,334百万円を特別損失に計上した。

会社は、グループの不適切行為に伴う最終的な罰金額・損害賠償額等を現時点で合理的に見積もることは困難としている。品質上の問題や顧客の要請に応じた補償費用のほか、信用低下や認証の停止・取り消しによる販売活動への影響が生じる可能性も挙げる。

会社は再発防止策として、海外拠点から本社への決算・監査上の問題の報告体制や、売上計上時期などの会計処理の確認手続を整備する方針だ。品質面では、信頼性試験を独立して評価する体制の構築や、国内工場の検査人員・記録管理の強化を掲げる。

翌期の会社予想も連結増収・営業減益

2026年9月30日提出の報告書で、会社は2027年3月期の連結売上高を前期比8.1%増の67,000百万円、連結営業利益を同35.6%減の3,500百万円と見込む。前提為替レートは1ドル155円、1ユーロ180円、1人民元22円だ。コスト面では金の使用量削減や金めっきの薄膜化、設備標準化や金型内製化の拡大に取り組む方針を示す。

次の開示で確かめること

  • グループの売上拡大と原価低減策は、連結営業利益にどう表れるか。2026年3月期は連結増収でも営業利益がほぼ横ばいとなり、2027年3月期も会社は連結増収・営業減益を見込む。売上の伸びと、会社が掲げる原価低減策の進捗を併せて確かめたい。
  • グループの不適切行為に伴う追加負担や顧客対応は、どこまで明らかになるか。会社は最終的な罰金額・損害賠償額等の合理的な見積もりが困難とし、販売活動への影響も挙げている。再発防止策の実施状況とともに、その後に判明する費用や事業への影響を確認する必要がある。
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報告書の基本情報

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