フルヤ金属、連結営業利益160.0%増 原材料在庫からの貴金属販売も拡大を支える
フルヤ金属の2026年6月期は、連結売上高が前期比74.5%増の100,139百万円、連結営業利益が同160.0%増の24,794百万円となった。HDDや半導体向けの薄膜素材の受注が伸びる一方、貴金属への強い引き合いに応じ、原材料在庫からも販売した。製品需要と貴金属販売の両面から、今回の拡大を読み解く。
売上だけでなく利益率も上昇
フルヤ金属グループは、プラチナ、イリジウム、ルテニウムなどを用いた工業用貴金属製品を製造・販売する。耐熱性容器のルツボ、薄膜素材、温度を測る熱電対に加え、貴金属のリサイクル・精製を手掛け、製品の受注にひも付かない貴金属原材料も販売する。
2026年6月期の連結売上総利益は前期比113.4%増の30,272百万円、連結売上総利益率は5.5ポイント上昇の30.2%となった。連結営業利益率も8.1ポイント上昇し、24.8%となった。
2026年6月期の連結経常利益は前期比162.7%増の24,664百万円、親会社株主に帰属する連結当期純利益は同147.9%増の16,034百万円となった。
薄膜製品はHDD・半導体向けの受注が好調
2026年6月期の連結「薄膜」セグメントは、売上高が前期比60.0%増の18,034百万円、売上総利益が同120.5%増の9,494百万円となった。薄膜素材には、HDDなどの表面に膜を形成するための貴金属板材がある。
会社は、連結「薄膜」セグメントについて、旺盛なデータセンター投資を背景にHDD向けの受注が好調に推移し、半導体向けの受注も伸びたと説明する。
貴金属販売は「その他」にも広がる
- 2026年6月期の連結「サプライチェーン支援」セグメントは、売上高が前期比148.8%増の19,044百万円、売上総利益が前期より2,291百万円増の2,331百万円となった。製品の受注に関係しない貴金属原材料の販売を担う事業だ。
- これとは別に、2026年6月期の連結セグメント情報では、イリジウム・ルテニウムの原材料在庫からの販売による売上高16,558百万円、売上総利益3,270百万円が「その他」に含まれる。サプライチェーン支援の実績だけでは、貴金属販売の広がりを捉えきれない。
会社は、連結「サプライチェーン支援」セグメントでは貴金属価格の上昇を背景に需要が高まったと説明する。さらに、支援用の商品在庫を超える強い引き合いに対応するため、原材料在庫から貴金属を販売し、連結セグメントの「その他」に計上したとしている。
営業資金は増えたが、在庫への資金負担は続く
2026年6月期の連結営業キャッシュ・フローは15,763百万円の収入で、前期の921百万円の収入から増えた。一方、連結キャッシュ・フロー計算書では、棚卸資産の増加9,536百万円が営業資金の減少要因となった。
2026年6月期の連結投資キャッシュ・フローは3,948百万円の支出、連結財務キャッシュ・フローは17,290百万円の支出となった。連結の現金及び現金同等物の期末残高は、前期末の13,044百万円から7,600百万円に減少した。
会社は、2026年6月期の連結財務キャッシュ・フローの支出について、主に短期借入金の返済による支出13,400百万円と配当金の支払い2,357百万円によるものと説明する。
次に追うのは需要・市況と在庫資金
- 次期の連結業績では、薄膜製品の受注と、原材料在庫からの貴金属販売がそれぞれどう推移するか。
- グループの在庫に必要な資金と、連結営業キャッシュ・フローの関係はどう変わるか。
当期は薄膜製品の受注が好調だった一方、強い引き合いに応じた原材料在庫からの販売も連結売上・売上総利益に含まれる。会社は貴金属価格の変動がグループの売上高と利益に影響するとしており、需要と市況の両方を確かめる必要がある。
2026年6月期は連結営業キャッシュ・フローが増えた一方、棚卸資産の増加9,536百万円が資金の減少要因となった。原材料在庫からの販売があっても、連結全体では在庫への資金負担が続いている。
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- EDINET原本 PDF 7ページ
- EDINET原本 PDF 17ページ
- EDINET原本 PDF 22ページ
- EDINET原本 PDF 23ページ
- EDINET原本 PDF 26ページ
- EDINET原本 PDF 85ページ
- EDINET原本 PDF 121ページ
- EDINET原本 PDF 122ページ
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