マイクロ波化学、15か月決算で個別営業赤字927百万円 大型案件の受注遅延が響く
マイクロ波化学は、マイクロ波を使う製造プロセスの研究開発から実機製作、製造支援までを手掛ける。2026年6月期の個別決算について、会社は大型案件の受注遅延などで売上高が当初予想を下回り、赤字を計上したと説明する。開発案件の獲得状況とともに、事業を支える資金の確保が今回の開示を読む軸となる。
新規案件を獲得する一方、大型案件の受注は遅延
同社は、電気由来のマイクロ波を用いる製造プロセスの技術を提供する。顧客向けのラボ開発・実証開発から実機製作・製造支援までを手掛け、炭素素材、ケミカルリサイクル、金属製錬・鉱山プロセスなどへ展開している。
会社は、2026年6月期の個別決算について、複数の大型プロジェクトで顧客の開発計画や投資時期の見直しに伴う受注遅延が生じたことなどにより、売上高が当初予想を下回り、営業損失・経常損失・当期純損失を計上したと説明している。
同社のマイクロ波ソリューション事業では、当期の新規案件獲得数は25件で計画22件を上回った。契約済みの案件総数は61件で計画62件に届かなかった。
当期は2025年4月1日から2026年6月30日までの15か月、前期は2024年4月1日から2025年3月31日までだ。決算期変更で対象期間が異なるため、会社は当期の経営成績について前期との比較を行っていない。
個別決算では、当期の売上高は1,057百万円、営業損失は927百万円、当期純損失は964百万円だった。前期の個別営業利益187百万円から赤字に転じたが、期間の長さが違う点に留意が必要だ。
当期の個別売上総利益は354百万円、個別販売費及び一般管理費は1,282百万円だった。このうち個別の研究開発費は653百万円を占めた。
個別純資産が減少、借入れで資金を調達
2026年6月末の個別純資産は152百万円で、2025年3月末の1,064百万円から減少した。個別自己資本比率は同じ時点の比較で50.1%から8.6%へ低下した。
15か月の当期に、個別営業キャッシュ・フローは459百万円の支出、個別投資キャッシュ・フローは87百万円の支出、個別財務キャッシュ・フローは440百万円の収入となった。個別財務キャッシュ・フローには長期借入れによる500百万円の収入が含まれる。
当期末の個別の現金及び現金同等物は401百万円で、前期末から105百万円減少した。
会社の事業継続判断を支える前提を追う
会社は、個別決算の赤字や純資産の減少を受け、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象・状況が存在するとしている。対応として顧客基盤・収益源の多様化を進め、資金面では当期に個別で500百万円の長期借入れを実行し、500百万円のコミットメントライン契約を更新したと説明する。事業計画・資金計画と対応策を検討した結果、事象・状況は解消または改善する見込みであり、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないとの判断だ。
会社は、個別の事業計画・資金計画における重要な仮定として、受注時期と事業開発の進捗を踏まえた売上高の見通し、金融機関からの資金調達、借入枠の利用可能性を挙げている。
- 大型案件の受注時期と事業開発の進捗は、個別売上高の見通しにどう反映されるか。
- 個別の資金計画に対し、営業活動の資金収支と借入枠の利用可能性はどう推移するか。
マイクロ波化学の今回の開示では、新規案件の獲得と個別決算の赤字が並ぶ。次の確認軸は、大型案件の受注・開発の進捗が個別売上高の見通しにどうつながるか、そして資金計画の前提がどう推移するかだ。
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