アバントグループ、連結売上8.0%増でも連結営業利益は2.0%増―事業ごとに分かれた収益性
決算業務や経営判断をソフトウエアとサービスで支えるアバントグループ。2026年6月期は連結で増収・営業増益となったが、事業別の動きは一様ではない。決算開示事業の利益が伸びる一方、経営管理ソリューション事業では費用増や受注損失引当金が利益を押し下げた。保守サービスの商流変更も含め、増収の中身と利益の出方を読む必要がある。
増収・営業増益でも、最終利益は減少
2026年6月期の連結売上高は30,481百万円(前期比8.0%増)、連結営業利益は4,697百万円(同2.0%増)となった。一方、連結の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の3,434百万円から2,985百万円へ13.1%減少した。
会社は連結営業利益について、人件費やオフィス費用、成長投資の費用、受注損失引当金が増える一方、ソフトウエアビジネスの成長による利益率の向上と外注加工費の減少が増益につながったと説明する。連結の親会社株主に帰属する当期純利益の減少には、投資事業組合運用損、自己株式取得に伴う支払手数料の増加、前期の株式売却益の反動も影響したとしている。
事業別の比較には、保守サービスの商流変更も含まれる
連結セグメントの前期比較値は、当期からの区分変更に合わせて組み替えられている。また、当期から一部の保守サービスの取引が、経営管理ソリューション事業から連結決算開示事業へ移った。事業別の増減には、この商流変更の影響も含まれる。
決算開示は売上以上に利益が伸びた
連結セグメントの連結決算開示事業は、決算用ソフトウエアの開発・保守と決算業務の受託を手掛ける。2026年6月期の同事業の売上高は9,648百万円(前期比16.2%増)、営業利益は2,923百万円(同45.7%増)となった。
会社によると、連結セグメントの連結決算開示事業では、商流変更に加えて決算業務の受託が増収に貢献した。人件費やオフィス費用は増えたが、採用費の減少、生産性向上、ソフトウエアのクラウド移行の推進などによる利益率改善が増益につながったという。
データ活用事業は増収でも利益が横ばい
連結セグメントのデジタルトランスフォーメーション推進事業は、データ活用のためのシステム開発などを担う。2026年6月期の同事業の売上高は11,022百万円(前期比6.8%増)だったが、営業利益は1,717百万円(同0.1%増)とほぼ横ばいだった。
会社は、連結セグメントのデジタルトランスフォーメーション推進事業について、データ活用の需要は堅調だったと説明する。ただし、人員増やオフィス移転に伴う費用増に加え、一部案件のキャンセルによる収益性悪化もあり、営業利益はほぼ横ばいになったとしている。
経営管理は費用増と受注損失引当金が重なった
連結セグメントの経営管理ソリューション事業は、グループ経営や事業管理を支えるシステムの企画・導入・運用などを担う。2026年6月期の同事業の売上高は9,685百万円(前期比1.7%増)、営業利益は1,129百万円(同36.3%減)となった。
会社によると、連結セグメントの経営管理ソリューション事業では、ソフトウエアの売上は増えたが、商流変更の影響もあって売上全体の伸びは限定的だった。人材確保や研究開発、マーケティング、外注の費用増に、会社が一過性費用とする受注損失引当金の計上などが重なり、営業減益となったという。
次は売上成長と費用負担の関係を確かめる
連結セグメントの経営管理ソリューション事業で、ソフトウエアの売上成長と費用負担の関係はどう変わるか。受注損失引当金の追加計上の有無も確かめたい。
会社は受注損失引当金を一過性費用と説明している。ただし、連結財務諸表の見積りでは、実際の原価が見積りと異なる場合に追加の引当金計上が必要となる可能性も示しており、翌期に負担がなくなるとは限らない。
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